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9年生と10年生のギャップ

おそらくビクトリア州にある多くの学校がそうであろうが、
勤務校ではLOTE(外国語)は9年生(中3)までが必修、10年生(高1)からは選択になっている。

10年生になるとクラスも10数人と小規模になり、
「ぜひ日本語を勉強したい」と集まってきた生徒たちだけになることもあり
授業のスピードは早くなるし、覚えなくてはならない漢字や語彙の量、宿題の量もぐっと多くなる。

で、今年の10年生、9年生までの授業とのギャップにあっぷあっぷ。
これはまずいなぁ、という状態。
授業の進め方について生徒たちと話し合って、ゲーム形式の復習を増やしてみたり、
「もうちっと勉強しなさ~い!」と発破をかけてみたり。
でも、そう簡単にはうまくいきません。

困った困ったで12年生(高3)に相談してみた。
「ねえ、みんなも10年生になったとき、急に授業が難しくなって大変だったかな?」と質問したところ
全員が「うん、辛かった」とのこと。どの教科も難しくなるなかで日本語がダントツだったらしい。
その後、いろんな意見が出て本当におもしろかった。
特に、「8年生、9年生の日本語の授業はもっと難しくしたほうがいい、楽すぎる」
という意見には考えさせられた。
「でもね、7年生は最初だし、いっぱいゲームをやって楽しくしたほうがいいよ、先生」という意見も。

おもしろい話がたくさん出たので、
「じゃ、だれか10年生のクラスに来て勉強方法や試験対策、日本語の勉強は楽しいよって話をしに来てくれないかな」とお願いすると、喜んで、と3人の生徒が来てくれた。

三人とも自分の勉強方法や、10年生のときに辛かった経験など興味深い話をしてくれたのだが、なかでも、12年生のクラスでは一番できないなぁと私が思っていた生徒の話が光っていた。

今はちょっと大変だけど、今だけだよ。11年生になるとそんなに大変じゃないし、12年生になるとこれまでの復習が多くなるから大丈夫だよ、などなど。

ああ、Rさんはそんなに深く考えていたんだなぁ、と感心してしまったのです。

教えることで手一杯になってはダメですね。たくさん教わった出来事でした。
by carparkee | 2010-05-27 21:03 | 仕事 あれこれ | Comments(0)