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レモンティーの記憶

小学校の低学年だったとき、のことだと思います。

学校から家に帰るとだれもいない。玄関も門も閉まっていて、お勝手口にもカギがかかっている。当時は母も仕事をしていなかったし、祖父母といっしょに住んでいて、「家が留守になっている」というのはそのときが初めてのことでした。

もし、そういうことがあったら「おむかえのNさん宅を訪ねなさい」と普段から言われていたので、その通りにNさんのお宅にお邪魔し、おやつまで頂いて祖母と母の帰りを待ちました。

Nさんがおやつに出して下さったのはビスケットとレモンティーでした。初めて口にしたレモンティーがおいしいと思えず、けれど悪くて残すわけにはいかず必死で最後まで飲みました。慌てて帰ってきた祖母と母は「帰りが遅くなって悪かった」と謝っていましたが、家に入れなかったことよりもレモンティーのショックのほうが大きくて「飲み干すのが一苦労だった」などと言ったのを覚えています。

今でもはっきり覚えている子どものときの記憶。レモンティーの味。オーストラリアでは紅茶にレモンを入れる人は見かけたことがないな。

さて、母になった私はボーっとしていて、土曜日に子どもを指定の時間に迎えに行くのを忘れました。音楽教室の先生と娘は十五分、スーパーに行ったきり戻ってこない私を待っていました。当然のことながら半べそをかいて・・・。もう、平謝り。

数十年後、娘は土曜日のことを何かの拍子に思い返したりするのだろうか、と考えました。
by carparkee | 2009-03-22 19:36 | 子育て いろいろ | Comments(0)